情報の信用度
2024年12月14日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
経営支援では、信用できる情報に基づいて判断することが求められます。
信用できる情報とは、経営者の思い込みや人の噂ではなく、客観的、科学的な裏付けがある情報ということになるのでしょう。
さまざまある情報のなかでも、学術論文として、特に原著論文として公表されている情報は信用度が高いと言えますが、経営者が利用する情報は多種多様であり、それらの信用度の計り知れない情報も含めて経営判断している、というのが実情ではないでしょうか。そういう意味では、経営者の洞察力が大切になります。
以前、マクロな情報は、国などが発表している二次データ、専門機関の発表する有料、無料の情報を頼りとして経営支援を行ってきました。今はネット、AIからそれらの情報が簡単に手に入るようになりましたが、価値のある情報は未だに有料だっりするので、そういう意味では、価値の高い情報の位置づけは今も昔も変わらないと思っていました。でも、ChatGPTo1の登場を考えると、一定の分野では、情報の価値もかなり低価格化するように思われ、その流れは加速すると思われます。
こうしたマクロの情報とは別に、一つの会社が日々相手にしている小さな商圏のミクロな情報は、信用度はもちろんですが、鮮度が命だったりします。日々の変化を捉えて商売に生かすという点で、こうした情報を独自の視点で確実に捉えることができる経営者は、あまり「負け」がないように思います。我々も経営支援では特に重視している情報です。足を使って集めた情報は、今も昔も変わらぬ価値があると思います。
情報の発信元では、ネットやテレビ、新聞などの情報を鵜呑みにしてしまうこと、言い換えると、あまり自分の「疑う」フィルターを通さなかったり、一つの情報元に依存していると、「負け」てしまうように思います。情報リテラシーの違いも関係があると思いますが、人の偏った価値感も関係しているように思いますので、何とも複雑です。私はあまのじゃくなので、仕事でも私生活でも、聞いた情報をすぐにのみ込まずに、複数の情報元、特にネットとリアルの両方で確認することで全体を把握できることが多いように思います。現代は、見聞きすることは少し疑う気持ちで接するくらいが丁度良いのかもしれません。でも、ニーチェの「事実というものは存在せず、解釈だけが存在する」という言葉からすれば、まあ、結局はそれも私の解釈なのですけれども。
ネットの時代、情報はいろいろな人の商売の種になるため、人の感情を煽ぐことが目的になっていたり、人をだますことが目的になるなど、情報の信頼性を見極めるのはますます困難になっています。それでも、変化の速い現代では、情報が経営の要になることは間違いありません。情報の信用度を見極める目を高めることは、特に経営者にとっての重要なスキルです。経営者がどんな情報に頼っているか、ということは経営支援でも気にしていることですが、我々経営を支援する側としても、提供する情報の根拠や信用度が、ますます自分達の信用に直結します。
情報のあふれる現代は何かと混沌としていますが、同時にチャンスもあふれていると思います。まずは自分の当たり前だと思っている情報をアップデートすることが大切かなと。いろいろと試しながら、質の高い情報にアクセスできる目を、これからも養っていきたいと思います。