増える日本人
2025年04月21日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
2024年のわが国の出生数は、前年比5.8%減の68.5万人とのこと。
合計特殊出生率(1人の女性が一生涯に産む子どもの数)は、過去最低だった前年の1.20を大きく下回り1.15を割り込みます。(株式会社日本総合研究所のサイトより)。
これは人口減少がより悲観的なことを示しています。
人口減少に合わせて、今後は行政もダウンサイジングして運営すればよいと考える事もできます。
行政区をまとめたり、住まいをスモールタウン化して運営する。
GDPも総額ではなく1人当たりを重視する、など。
これまでの常識から離れて、価値感を変えればよいとも思えます。
そうではなく、人口減少に歯止めをかけて現状維持、もしくは成長指向で考える場合。
外国人に日本人になってもらえば、日本人を増やすことができます。
もちろん、それも簡単ではないと思いますが。
ある日の新宿駅の近く。
あまりの外国人の多さにびっくりです。
2024年の年間の訪日外国人は、3600万人を超えて過去最高になったそうです。
「Daijob HRClub」によると、訪日観光客の増加とともに、日本に移住したい外国人が増えているそうです。
例えば、こうした外国人に日本人になってもらうということも考えられます。
法務省によると、令和6年6月末の在留外国人数は、358万8,956人(前年末比17万7,964人、5.2%増)です。
過去最高を更新しています。
ちなみに、在留外国人とは90日を越えて日本に滞在する外国人のことです。
在留外国人は基本住民登録をして、日本の健康保険制度に加入しなければならないというルールもあります。
こうして外国人が日本人になることを前提にすると、日本は緩やかに他民族国家に移行することが考えられます。
それは我々にとって、経験したことがない大きな社会変化になると考えられます。
そして、今まさにその真っ只中にいると考えるわけです。
さて、そうした新しい日本人としての外国人を受け入れる場合を考えます。
そうすると、外国人の受け入れ方には大きく二つの考えがあります。
一つは、郷には入れば郷に従えという考え。
もう一つは、新たな価値感を我々が受け入れていく考え。
前者の場合。
新たに日本人となる外国人に、日本人的な考えを身につけることを求めます。
しかし、その再教育はなんとも難しい課題だと思われます。
私たちは、家庭や地域社会で、気づかないうちに日本的な考えを身につけています。
でも、途中で日本人になる外国人はそうではありません。
そもそも日本人と外国人の価値観や振る舞いの違い、日本人的な考えの正体は何か?
ここではとりあえず多民族国家のシンガポールの例を見てみます。
初代の首相であるリ・クアンユーさんは、多民族をまとめるためのさまざまなルールを作ったそうです。
例えば、他民族混住を促す住宅政策を行いました。
教育では、学校以外にも兵役によって国の意識を共有しています。
中国系の民族が多い中でも母国語を英語にして中立にしたのも、そうした理由ではないでしょうか。
そう考えると、日本人が共有してきた価値感を伝え守らせることは、現状の仕組みでは簡単ではないでしょう。
では、後者の場合。
外国人の価値感を受け入れるという考え方です。
つまり、私たちが価値感を変えるということです。
外国人の国籍や宗教などで慣れ親しんだルールを尊重するわけです。
でも、これが自分に出来るのかと考える。
程度にもよりますが、新たな価値感を学んで理解するのは、少々時間も労力もかかりそうです。
いずれにせよ、こうした大きな二つの考えの妥協点で、生活のルールが決まっていくことは間違いないでしょう。
そんなわけで、今後の政治の判断一つが、私たちの生活に大きな影響を及ぼすに違いありません。
これから、こうした受け入れのビジョンの違いが地域ごとに表面化するでしょう。
場合によっては、外国人という新しい日本人が、日本の地域の未来を決めていくことにもなるのでしょう。
そんな混沌とした時代が、ずっと続くのだと思います。
多くの古くからの日本人にとっては、その混沌と共に暮らすことが、必要なスキルになるように思われます。
スキルが高い人は良いでしょうが、低い人には厳しい状況が続くことになりそうです。
何を守り、何を変えるのか。
どんな環境変化があっても、どんな未来を描くかはその人次第。
経営者であればこれを機会として、もっと素敵な日本や世界の未来を、主体的に描きたいものですね。