事業再構築補助金と経営のリスク
2021年04月20日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
事業再構築補助金を申請される事業者は、30日の締め切りに向けて計画の作成や入力に追われている事と思います。
弊社でも多くの事業者からお声がけをいただいておりますが、ご支援できる件数が限られておりますので、
大変申し訳ないのですが、基本的にご新規の方の受付をお断りしている状況です。
次回5月以降も申請のチャンスがありますので、機会があればまたお声がけください。
さて、事業再構築補助金の「事業再構築」については指針に定義がありますが、
事業内容をある程度大きく転換、変化させることを前提としています。
一般的な経営戦略として「事業再構築」を考える場合には、
それ相当のリスクがあることは、当然おわかりいただけると思います。
でも、今回のような補助金の申請を考えた場合には、一部お祭り騒ぎのようになっていることもあり、
その経営リスクを過小評価してしまう場合があります。
私たちのような認定支援機関がフォローをするにしても、その道の経営のプロばかりではありませんし、
何より経営のリスクを負担する訳ではありません。経営者が全ての経営のリスクを背負うことになります。
その意味からも、弊社ではいわゆる「丸投げ」的に事業者の補助金事業の計画作成を請け負うことは一切しませんが、
そうした「丸投げ」を依頼して、その事業の経営リスクをまるごと背負う事業者の気持ちが理解できません。
経営の戦略やしたいことから補助金を選ぶという点では、無理に事業再構築補助金を選ばなくても、
販路開拓が必要であれば、小規模事業者なら小規模事業者持続化補助金のほうが適している場合もありますし、
ITに特化した投資をするのであれば、IT補助金が使えるかもしれません。
また、市区町村にはそれぞれの地域の目的に合わせて補助金が設けられていますので、
それらを利用する方が、国の補助金よりも獲得の可能性が上がる場合もあります。
ご自身の必要に合わせて、それに合った補助金を選択することをお勧めします。
その意味からは、事業者の地域にある商工会議所や商工会が情報源として頼りになると思います。
お金がもらえるから、無理にでも補助金の計画を作って申請する、のではなく、
ご自身が考えた事業の計画に合っているから申請する、という冷静なご判断が必要です。
言い換えると、補助金がなくてもその事業で成功したい熱意があるかどうか、が大切なのだと思います。
ただ、今回の事業再構築補助金は予算も補助金額も大きいため、まさに事業を再構築するには絶好のチャンスでもあります。
計画を練っていた方にとっては、補助金を活用できれば資金面のリスクを減らして事業を進めることができます。
そうした方にはぜひ、ピンチをチャンスにして、明るい未来を創っていただきたい、と心から切に願います。